雨柳がエドガーを愛でるとこ
~創夜もちゃんと愛でてるよ~
~アニメZEXAL26話+Ⅱ/エドガー~
アニメZEXAL26話「開幕! WDC(ワールド・デュエル・カーニバル)」に
Ⅱ/エドガーがいたら……という内容です。
この話から、本格的な登場となります。
……が、登場シーンが少ないので、Ⅱの登場シーンのみ
小説風に書かせて頂いております。
・2023/9/13追加
◆26話「開幕! WDC(ワールド・デュエル・カーニバル)」◆
~【本編】
凌「じゃあな!」
遊馬と語り終えた凌牙は、そう言ってバイクを走らせた。
小「遊馬!」
凌牙が去った丁度その時、小鳥たちが遊馬の元へと駆け寄るが、遊馬は先ほどの凌牙との会話の余韻に浸るように、嬉しそうな顔で凌牙を見送っていた。
小「シャーク……?」
遊「ああ!」
凌牙もまた、遊馬へ本心を話せたことが良かったのか、何も気にせずにバイクを走らせていたのだが……
凌「!」
何かが飛んできたことに気付いて慌てて手を出すと、その指の間に1枚のカードを捉えた。そして、バイクを止めてカードが飛んできた方向――工事の最中らしき鉄塔の上方を見据えるも、そこには誰もいない。
だが、凌牙はヘルメットをバイクの座席に投げ捨てて、その鉄塔を駆け上がり、先ほど凌牙が見上げた場所まで歩を進める。そして、凌牙が地上を見下ろしたその時だった。
Ⅳ「久しぶりですねぇ、凌牙……いいえ、シャークと呼んだ方が良いのでしょうか?」
Ⅱ「学校では有名らしいね、「サメ使いのシャーク」ってさ」
凌牙と全国大会の決勝で戦った相手であるⅣと、そのマネージャーを務めるⅣの弟Ⅱが凌牙の背後に現れた。
凌「お前らは……! コイツは一体なんの真似だ……」
凌牙は振り向いて2人を見て、先ほど飛んできたカードを見せてそう言った。
Ⅳ「タダの挨拶ですよ? デュエルカーニバル前のね……」
Ⅱ「Ⅳと君は全国大会の決勝で戦った仲なんだ、こういう挨拶は大事な礼儀の1つだと思ってね」
凌「何が大事な礼儀だ……!」
Ⅱの言葉に感情的になるも、すぐに凌牙はハッとして2人から目線を逸らして自身の足元に目線を落とし、
凌「それに、念の入った挨拶は結構だが、俺は大会には出ない」
と言ってみせる。
Ⅳ「おやおや……まだあの時のことを引きずっているとは……」
Ⅱ「なんとも器の小さい……」
凌「なんだと……?」
Ⅳ「じゃ、面白い話をしましょう……」
Ⅱ「いいね、してあげなよ……面白い話……」
凌「……」
Ⅳ「あの決勝戦、あなたは控室で私のデッキを盗み見て、失格となった……だがあの時のあなたは、普通の精神状態ではなかったはずです」
Ⅳの言う「面白い話」の中、3人は全国大会決勝の時のことを思い出す。控室にばらまかれていたⅣのデッキ、それを見てしまう凌牙、試合中に告げられる凌牙の失格アナウンス、そのアナウンスを聞いて関係者席から不敵に笑うⅡ、そしてⅡ同様に不敵に笑う凌牙の対戦者Ⅳ……
凌「な……!」
Ⅳ「大切な人の、不幸な事故を目の当たりにして……」
凌「――!」
その言葉で、凌牙は決勝戦の直前のことを思い出す。
病室で、瀕死の重傷を負った凌牙の妹の璃緒が寝ている。その傍らに、凌牙は立っていた。
璃「凌牙……絶対、優勝して……私は……私は、大丈夫……」
Ⅳ「そんな状態のあなたに、もし対戦相手がわざとデッキをばらまいたとしたら……」
凌牙の脳裏によぎるのは、先に自身の控室を出て行くⅣの姿と、Ⅳの控室のテーブルに置かれた植木鉢の淵に、誰かが今にも落ちそうな状態でデッキを置く光景。そして、そのデッキを置く手の持ち主がⅡであったことが鮮明になっていく。
凌「テメェら……やはりあのデッキのばらまきは、俺をはめるためにわざと……!」
ⅣとⅡへの怒りをぶつけた後、凌牙は自分を責めるようにうつむく。
凌「くそっ、あの事故さえなければ……あんなくだらない罠にはまることなんか……」
うつむいたままに悔しそうに凌牙がそう言った時、Ⅱが小さく笑みを浮かべた。
Ⅱ「あの事故……まさか、あの事故が偶然起こったと思ってるのかな? あれは――」
Ⅳ「そう……彼女の事故が偶然ではなかったとしたら……」
言葉を半ば遮ったようなⅣに、Ⅱは少し驚いているが、凌牙はそんなことには気付かなかった。
凌「お前ら……俺をはめるために、そこまで外道な真似を……!」
思わず凌牙の手から落とされる、挨拶代わりのカード――罠カード「聖なるバリア―ミラーフォース」。
そして怒りの頂点に達する凌牙をあざ笑うかのように、不敵な笑みを崩さないⅣとⅡ。
凌「テメェ!!」
Ⅱ「おっと」
凌牙は思わずⅣに殴り掛かるが、Ⅱが凌牙の手首を握って軽く止めてみせる。
Ⅳ「暴力はいけません……」
そう言って、Ⅳは凌牙に背を向ける。
凌「な……離せ!」
Ⅱ「……いいよ」
Ⅱはまるでおちょくるように素直に凌牙の手を離し、Ⅳの隣まで歩み寄る。
Ⅳ「フハハハハ! ですが笑えますねぇ……あの1件であなたはデュエルの表舞台から追放……一方私は今では極東エリアのデュエルチャンピオン……随分と差がつきました……悔しいでしょうねぇ……」
Ⅱ「まったく……バカみたいな話だ……」
凌「て、テメェら――」
Ⅳ「フッ……! 悔しいのなら俺たちを倒してみろ!」
まるで、再び殴りかかろうとしそうな凌牙の言葉を遮り、Ⅳは今までの丁寧な口調が嘘のようにそう言って振り返る。
Ⅱ「デュエルカーニバルでな!」
同様に振り返ったⅡは、その広く長い袖の中から取り出したハートピースを凌牙に向かって投げる。すると、凌牙はつまらなさそうにハートピースを受け取った。
Ⅱ「もちろん……誘うからには、俺たちも参加するつもりだ」
そう言って、ⅡもⅣも自分たちのハートピースを凌牙に見せる。
Ⅳ「待ってるぜ? フハハハハハ!」
Ⅱ「フフフ……」
笑いながら、2人はその場を後にした。
凌「ワールドデュエルカーニバル……」
凌牙は、憎々しげに去っていったⅣとⅡの兄弟をただ見ていた。
【OP】
ト「フハハハハ! アハハハハ!! ハハハ……」
ハートランドシティのどこかにある、とある建物。その一室で、盛大に笑いながら巨大なスクリーンでいくつものカートゥーンアニメを見ている人物――トロンがいた。
トロンの笑いが高潮し、笑いのあまり手を叩きだした時、部屋のドアが開き、あの2人――ⅣとⅡが部屋に入ってきてトロンに近付く。
Ⅳ「望み通り、凌牙はデュエルカーニバルに参加する」
Ⅱ「あと、本当のことも伝えてきたよ。まあ、全部って訳じゃないけど……」
ト「それはそれは、2人ともどうもご苦労様でした」
その時、部屋の中に、トロン、Ⅳ、Ⅱ以外にも2人の男が入ってくる。
Ⅳ「だがなぜあんな奴を気にする? 奴はすでにデュエリストとしては抜け殻……」
Ⅱ「そうだよ……ちょっと罠にはめただけで失格行為をしてしまうような、あんな心の弱い奴をどうして……」
その時、トロンの見ているアニメがギャグシーンに突入し、
ト「アッハハハハハ!!」
トロンはⅣとⅡの話も聞いているのかいないのか、アニメに大爆笑している。
ト「それでも必要なんですよねぇ……我々がナンバーズを集めきった時にね……」
そして、ふいに真面目な声でそう答える。
Ⅳ「まあ、いい……これで奴を、再び地獄に突き落とす楽しみができた……フハハハハ! フハハハハ!!」
高笑いをするⅣを見て、Ⅱは対照的にその顔に影を落とした。
Ⅱ「(もう、後戻りはできない……でも、たとえどれだけの人間を傷付けようとも……)」
Ⅱは、辛そうに目を瞑った。
~【本編】~
来たるWDC開催当日、ハートランドでは盛大な開会セレモニーが行われていた。そこには遊馬やその友人たち、凌牙はもちろん、ⅣとⅡも共に赴きMrハートランドの大会説明を聞いていたが、不敵に笑うⅣとは違い、Ⅱはトロンと話した後のように、どこか浮かなさそうな顔をしていた。